与謝野晶子が詠んだ五老嶺

 鹿児島の旅で与謝野晶子が詠んだ「五老嶺」とは姶良市の国道10号線や別府川沿いから見える山並みのことです。この地を訪れた誰しも南端の採石場を一度は見たことがあると思います。今回,鉄幹の父が勤めていた性応寺を訪れると共に,この五老嶽の五つの頂が全て見える場所を調べてみました。地図の中の青色点線は頂が重なる地点ですが,別府川沿いや現・柁城小学校近く(島津義弘敷地「柁城」)交差点からも山並みが見えます。今回調べてみましたが高い建物を無いものと考えると姶良市の多くの場所から五老嶽が見られることが分かりました。

・「加治木なる 五つの峰の 波形の 女めくこそ あはれなりけり(晶子)

 国道10号線沿いの性応寺から「五老嶽の波形の女めく稜線」が見えました。加治木のシンボル的な山並みで美しいですね。

・「老の身の 相見て嬉し をさなくて 加治木の寺に 植えしたぶの木(鉄幹)

 9歳の鉄幹が手植えしたたぶの木も142歳,お寺を見守りながら大きくなっていました。鉄幹も成長したたぶの木を見たかったのでしょうね。念願叶ってよかったと思います。晶子の歌も嬉しくて自然と出てきたのでしょう。昭和4年,47年振りに加治木へ帰ってきた鉄幹(56歳)は父との思い出と共に,この木を植えた時の嬉しさが蘇ってきたことでしょう。現在の木はさらに100年近く経ち,幹周りや枝ぶりも大きくなっています。

・ 性応寺にあるたぶの木

・ 国道沿いの歌碑

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