六月灯の起源となった重宝山上山寺と観音像(1)【R5】7月1号

・ 7月に入ると県内の神社で「六月灯」が始まります。全国的な行事ではありませんが,鹿児島と宮崎県の一部の神社で行われている夏の風物詩です。この「六月灯」の始まりは,江戸初期,島津光久公が重宝山上山寺と新昌院観音堂を再建した折,旧暦6月18日(7月18日),沿道に武者絵の灯籠を多数掲げ,道の明かりにしたのが始まりと言われています。

「六月燈」(鹿児島史談会長 勝目清)より

・表情豊かな観音像(首の継目や後頭部,鼻などの傷は廃仏毀釈の難か)

・ 元々,お寺でたくさんの灯明を灯して亡くなった人を供養する仏教行事がありましたが,この上山寺の祭りから県内の寺に広がっていきました。その後,一般の人が燈を献ずるようになって,六月に縁日を定め盛大に燈を献じて「六月灯」というようになったようです。

・ 寺で行う行事でしたが,明治の廃仏毀釈で鹿児島の寺は殆ど壊されたことから,神社で行われることが多くなりました。今では夏祭りとして,7月に入ると毎日のようにどこかの神社で六月灯があります。田植え等の農作業が一段落した時,作物の豊作を願ったりするものです。夏場は台風や日照り,病気など災害が起きやすい季節で先祖の神様に「悪いことが起きませんように」と,お願いする意味もあります。

・ 戦前まで,自分が産まれた土地(産土神)の六月灯には明るいうちに袴を着て参加しなければならない所が多かったそうです。ご先祖様は夕方から夜にかけて活動するそうですので,灯籠をたくさんつけて楽しく踊ったり,歌ったりしていると神様が近寄って来て願いが叶うそうです。夜にぎやかにしていると何だろうと思い,行ってみたくなります。神様も人間と同じように集まって来るのですね。

・入来院玉淵寺の釈迦如来像~江戸初期の作風が似ているが同じ作者なのか?

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