城山展望所の外国人観光客

 いつものように,城山自然遊歩道をウォーキングしていました。駐車場から売店を通り,展望所へ向かう途中で,(ドイツ語での会話から)ドイツ人と思われる2~30名のグループとすれ違いました。

・英語圏からの旅行者たち

 城山展望所は海外からの旅行者が多く訪れる場所のため,耳に入る言葉から,どの国の観光客か推察することができます。夏場までは中国人観光客が圧倒的に多く,ヨーロッパからの旅行者はほとんど見かけませんでした。

 ところが最近は,中国人観光客が減った一方で,欧米や中南米からの旅行者をちらほら見かけるようになりました。旅行者全体の数は,以前と大きく変わっていないように感じます。

 聞くところによると,これまでホテル予約は,中国人観光客で埋まっていたために訪れることができなかったヨーロッパの人々が予約を取れるようになり,その結果として増えてきたそうです。実際に城山を歩いてみると,その変化がはっきりと分かります。

・展望所からの桜島(うっすらと白いものが)

皇太子のトイレの碑

 いつもは展望台を避けて歩くのですが,多くの観光客がきていたので,展望台まで上がりました。一番の奥で七十代と思われる三人組の女性がベンチに腰かけ,桜島を背景をバックに自撮りしていました。大きな声で賑やかに話しながら,とても楽しそうな様子でした。

 すると,そのうちの一人の方が,正面の石碑を見ながら大声で「ここは皇太子がトイレをしたところなんだね」と言い,「ほら,『皇太子御手洗いの碑』って書いてあるよ」と言うのです。私は一瞬,そんな碑があったかなと,思わず振り向いて確認してしまいました。

 よく見ると,そこにあったのは「皇太子殿下御手植公孫樹」という石碑でした。私は思わず「違いますがね。『御手植え』ですよ」と突っ込むと,「あっ,本当だ」と私を含め4人で大笑いとなりました。

・「あっ,ホントだ」

 そこで私が「どちらからいらしたのですか」と尋ねると,「鹿児島です」とのことでした。それを聞いて,また「鹿児島の方が間違ったらダメでしょう」と,再び突っ込んでしまいました。するとその方は,「小学校以来きていなくて,本当に何十年ぶりなんですよ」と,照れくさそうに笑っていました。おそらく,市外にお住まいの方たちで久しぶりに鹿児島市にきたのでしょう。思いがけず笑いの絶えないやり取りとなり,城山でのちょっとした楽しいひとときでした。

訪日外国人観光客4000万人超え

 2025年度,日本を訪れた外国人観光客の数は4千270万人に達し,初めて年間4千万人を超えたそうです。主な要因は円安にあると言われていますが,その恩恵は必ずしも日本の地方全体に行き渡っているわけではないようです。

 ここ城山展望所は,桜島の眺望が美しく,外国人観光客にも人気の高い所です。そのため,訪れる人々の様子を見ていると,訪日外国人観光の傾向がよく分かります。

 5,6年前と比べると,訪日外国人は1千万人以上増加しました。特に中国人団体観光客の増加によるオーバーツーリズムが問題視されてきました。また,テレビなどでは高市総理発言で「中国人旅行者が激減すれば,ホテルや旅行業界が大打撃を受ける」と盛んに報じられていました。

 ところが,実際にふたを開けてみると状況はかなり違っていたようです。これまで中国人観光客の予約で埋まっていた飛行機や宿泊施設に空きが出たことで,代わりに欧米や中南米などからの旅行者が訪れるようになり,中国人客の減少による影響は,ほとんど見られないとのことです。

 さらに,中国人観光客は中国系のホテルやバス,土産店を利用することが多く,日本人事業者の売り上げには,もともとそれほど大きな影響を与えていなかったという事実も明らかになってきました。

 こうした現状を踏まえると,中国人観光客を巡るテレビ報道には,より冷静で正確な報道が求められます。実際の現場を歩いてみることで,数字や報道だけでは見えてこない真実が,はっきりと見えてくるようでした。

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