大浪池の紅葉狩り

 南九州の紅葉の名所といえば,えびの高原,曽木の滝,霧島が挙げられます。例年この時期には霧島へ紅葉狩りに出かけています。今年も天気の良い土曜日に訪れましたが,登山者が多く,大浪池の駐車場は満車で車を停められませんでした。仕方なくえびの高原の駐車場へ向かうと,そこも満車でした。普段は使われない手前の第二駐車場が解放されていたため,初めてそちらを利用しました。

・大浪池の周回登山道の様子 

 そこから韓国岳麓の県道沿いの緩やかなコースを歩いてみましたが,例年なら鮮やかな紅葉が楽しめるはずなのに今年はほとんど見られませんでした。原因は,夏の暑さが長引いたことや,寒暖差が少なかったからだそうです。紅葉を楽しむ間もなく葉が落ちてしまうのは非常に残念なことです。

・ 2年前の霧島の紅葉

 霧島の紅葉を楽しむために,毎年訪れるのが大浪池とえびの高原です。登山道は歩きやすく,カエデやアカマツが色づきながら,七変化のように輝く湖面に映える紅葉を眺めるのは,霧島ならではの魅力です。

 しかし,今年の霧島連山では,所々で葉が色づいているものの,例年に比べて紅葉が少なく,その様子に驚かされました。それでも,高原の野山を進み,大浪池の湖面に映る赤い紅葉を見つけたときは,苦労が報われたようで嬉しい気持ちになりました。ひんやりと澄んだ空気の中で,日当たりの良い場所では紅葉がひときわ鮮やかに映え,一層その美しさが引き立つように感じられました。 

福岡からの登山者

 ちょうど大浪池を見渡せるこの場所で,福岡から来たという女性の登山者とお話しする機会がありました。その方は南九州の天気予報が快晴だったのを見て,朝一番に車に飛び乗り,高速道路を使って霧島までやってきたそうです。一泊して明日は高千穂峰を登り,そのまま帰路につく計画とのことでした。また,その方は九州各県の紅葉の名所をすでにいくつも訪れたそうで,その行動力には感心させられました。そして,こうした行動力がなければ,紅葉の美しい景色に出会い,楽しい思い出を作ることもできないのだと改めて感じました。

・大浪池の紅葉

 私もこの時期の紅葉が好きで,時には足を伸ばしてくじゅう連山や岡城跡など県外の名所を訪れることもあります。2年前の秋の岡城跡は,駐車場から天守へ続く道沿いに,カエデ,モミジ,ウルシ,ススキなどが彩る幻想的な紅葉風景が広がっていました。さまざまな樹木が黄色や赤に色づき,まるで燃えているかのような光景でした。あまりの美しさに思わず感嘆のため息がこぼれるほどでした。

佐賀県武雄市からの登山者

 下山中,避難小屋の前で佐賀県から来た男性の登山者に声をかけられました。地図を見せ,4つの道のどの道を行けば駐車場への帰り道なのか分からなかったようでした。その方は,先に出会った福岡県の登山者とまったく同じコース「高速~えびの高原駐車場~韓国岳~大浪池~えびの高原駐車場~ホテル泊~高千穂峰登山~帰路」を計画しているとのことでした。福岡の女性は登山に慣れている様子でしたが,佐賀県の男性は登山初心者で,ヤマップアプリの地図画面と格闘しながら道を尋ねてきたのです。

 私たち夫婦もちょうど下山するところだったので,一緒に下りることにしました。私自身,見知らぬ土地で迷い,地元の人に助けられた経験が何度もあるので,これもお互い様だと思いました。

 下山中の会話で,私が定年後に登山を始めたことを話すと,その男性はまだ40~50代と若かったものの,定年を過ぎた知人に誘われて登山を始め,それがきっかけで山が好きになったそうです。同じ趣味を通じて,こうして山での出会いがあるのもまた登山の魅力だと思うことでした。

・ 韓国岳と大浪池の中間にある「韓国岳避難小屋」 

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