県道「小林えびの高原牧園線」
霧島から生駒高原に続く県道1号線(小林えびの高原牧園線)は,毎年コスモスの季節になるとよく利用していましたが,平成30年2月の硫黄山の噴火警戒レベル引き上げにより,長い間,通行止めとなっていました。最近,土・日は通行が出来ることを知り,久しぶりに甑岳の赤松林を歩いてきました。
しかし,台風10号の影響で登山道が荒れており,足元が滑りやすくなっていました。進んでいくと,雑木林から突然小鹿が飛び出してきて,目の前を横切りました。周囲を探しましたが,他に鹿の気配はなく,どうやら親鹿とはぐれたようでした。その直後,今度は倒木に止まっているキジを見つけ驚きましたが,よく見るとそれは鳥ではなく,落ちた枝が鳥のように見えていただけでした。(歩きながら今日は動物によく出会うなとほんの一瞬そう思えたのです…)
・白鳥山展望所から甑岳と六観音御池を望む
甑岳からの眺め
甑岳の山頂からは霧島の山々が一望できます。韓国岳,高千穂峰,夷守岳,白鳥山,そしてわずかに六観音池の水面も見えます。左手には針葉樹林帯,北側には小林盆地の街並みが広がります。標高1301メートルの甑岳は,県道1号線沿いの駐車場から登ると,標高差が100メートル程しかないため,手軽に登れて絶景が楽しめるお気に入りの山です。
南国には珍しい甑岳の池塘
案内板によると,山名は甑(蒸し器)に似ていることが由来だそうです。特に,針葉樹林帯から差し込む木漏れ日の中を歩くのはとても癒されます。根元が太い赤松林の中はひんやりとしていて,とても心地よいです。山頂に着くと,火口の縁に沿って歩けるほか,高層湿原に点在する池塘(ちとう)も楽しむことができます。池塘は寒い地域に見られますが,霧島山の北部に位置するこの火山は,頂上の平らな形状が雨水をためやすく,池塘が形成されているのでしょう。
・山頂の周回コースから見える桜島