田原総一郎「あんなやつは死んじまえ」

あんなやつは死んじまえ

 田原総一郎氏が,またもや話題を呼びました。自民党総裁の高市早苗氏に対して「あんなやつは死んじまえ」というジャーナリストが討論番組で決して言ってはならない言葉が飛び出したのです。

 田原氏の番組は,彼が議論の中で興奮し過激な発言や失言をしてしまうことが多く,それを楽しみにしている視聴者もいるそうです。今回も,その期待(?)に応える形になったようです。

BS朝日の『激論!クロスファイア』での発言

① 「福島瑞穂氏」: だけどそれが,全く男性原理そのものでやるんだったら,女性総理であることの意味もないじゃないですか。だからそれはやっぱり賛成してほしいと思いますよ。選択的夫婦別姓だったり 
※ 議論が分かれている「選択的夫婦別姓」のことを強要すること自体怖いことです。
② 「田原氏」: じゃ大反対すればいいんだよ。何で高市を支持しちゃうの?
③ 「辻元清美氏」: 支持してないよ,100%支持してないよ。
④ 「田原氏」: 「あんなやつは死んでしまえと言えばいいんだよ。
※ 何と討論番組の司会者が,一方の考えを完全否定する驚きの番組。これが左派の言う表現の自由の基本的な考え方なのでしょう。
⑤ 「辻元清美氏」: いやいやいやそれは,田原さんそんな発言して前にも高市さんと揉めたでしょ?前もあれぐらい激しくやってた訳ですよ。私たちは 
⑥ 「辻元氏」: でもね片山さんもね,お変わりになったほうがいいと思いますよ。
※ スタッフからサインがあったのか突然片山氏に話題を振る辻元
⑦ 「田原氏」: いやだから  「辻元清美氏」: 私はねそう思いますよ。
⑧ 「女性アナウンサー」: ではここでいったんCMをご覧いただきます
⑨ 「田原氏」: ぼくは高市と激しくやりあった…
  【強制CM】

※ 自民の片山さつきが黙って聞いていたのが気になりましたが,その後片山氏も反論したようです。それにしても,相手を侮辱する以前に「死ね」とはジャーナリストが言う言葉でしょうか。

 しかし,同じ「失言」でも,自民党系の政治家が発した場合には大騒ぎになるのに,反自民系議員や田原氏のようなケースでは,メディアがほとんど黙して語らないということです。結局,SNS上で炎上し,世論の反発を受けてようやく謝罪するという,いつものパターンになりました。

 かつては,録音や録画を武器に相手方の失言を追及するのがマスコミの得意技でした。しかし,いまや時代は変わりました。SNSを通じて,これまでマスコミが取り上げなかった,あるいは取り上げたくなかったような情報も瞬く間に広がるようになったのです。

 今回の件も例外ではなく,問題の発言はすでにYouTube上に投稿されています。時代の変 化を象徴する出来事と言えるかもしれません。この変化についていけないのがマスメディアなのでしょう。

総理暗殺を誘導した一連の論調

 安倍元総理の晩年もオールドメディアの論調は,「万死に値する」や「民主主義の敵」といった過激な言葉を用いるなど,極めて一方的かつ感情的なものでした。その結果として,あの忌まわしい暗殺事件を誘発した一因になったと指摘する専門家も少なくありません。

 一国の総理大臣の暗殺という行為は,民主主義において最も忌むべき事態であり,罪も重く決して正当化されるものではありません。

 それにもかかわらず,今回の田原氏による新総理に対してテロを誘導するような「あんなやつは死んじまえ」という発言が,当時と同様に公然となされたことは,極めて危険かつ無責任と言わざるを得ません。しかもこの発言を意図的に編集しなかったBS朝日の罪は非常に大きいものなのです。

 もしもこのような発言が再び暴力を誘発し,第二の安倍元総理暗殺のような悲劇を生むようなことがあれば,社会全体の責任が問われることになるでしょう。メディア関係者や言論人は,自らの言葉が持つ影響力を深く自覚すべきです。

事前収録を意図的に放送したBS朝日

 今回,BS朝日は当初,高市総理や片山さつき財務大臣が相手でも問題視しなかったこの件について,SNS上での炎上や一部スポンサーの様子を見てようやく動きを見せました。協議の結果,同局は「田原氏の発言は政治討論番組としてのモラルを逸脱していると判断し,当該放送回をもって番組を終了することを決定した」と発表しました。

 結局BS朝日は,田原氏の過激な発言はこれまでもあり,問題ではないと様子見の状況でした。国民が日本の窮状を救う最後の砦として,期待している高市氏に対する態度に怒っていること或いは世間の動向にすら気づかない「BS朝日」に呆れているのです。

 番組は事前収録のVTR放送であり,問題発言を編集段階で削除することは十分に可能でした。それにもかかわらず,それを怠った番組責任者および管理監督者である編成制作局長が懲戒処分となったのは当然のことと言えます。今回はいつものような「厳重注意処分」で済ませることができなかったあたり,事態の重大さをようやく認識したということでしょう。

 しかし,実質的な親会社である朝日新聞が社説でこの問題を断罪しない限り,火の粉は必ず朝日新聞本体にも及ぶはずです。自らの過ちには甘い~まさにオールドメディア特有の体質がここにも露呈しています。

殆ど反省もなく懲りない田原氏

 けれども,一応「言葉を生業」とするジャーナリストと言われる方が,「そのような意味で使ったのではない」という説明で簡単に済ませようとすること自体に違和感を覚えます。

 本来であれば,「決して使ってはならない言葉を使ってしまい,弁解の余地もありません」と,素直に謝罪の意を示すべきではないでしょうか。言葉を扱う者であればこそ,その一語一語の重みを,誰よりも理解していてほしいと思います。

 さらに問題なのは,当の田原氏本人が昨日「また新しいことを始めないとね」と語るなど,今回の騒動をほとんど意に介していないことが分かりました。社会的影響を自覚しないまま,再び公的な発言の場に立とうとしているのであれば,メディア側の倫理観が根本から問われることになるでしょう。

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