2023-07

地名散策

原良地区の地名(1) 「源六・原羅営」【R5】7月9号

 原良とは,「原と羅から今の原良川沿いの平らな原野を開墾した土地」或いは「野良作業の如く,開墾以前の野原」の意味と考えられる。原良の地名として,南朝方の畠山国長が原良に陣を構えた「原羅営」とあり,それ以前の古い地名と考えられる。この陣営の館...
地名散策

伊敷地区の地名(1)【R5】7月8号

宇都の地名 宇とは空間や広がりのことで,都(戸)は入口のこと。宇都とは,「小川に侵食され細長く袋状につながった田園地帯」のことである。 宇都さんのルーツはほぼ鹿児島で,門割制度の宇都門(水利がよく肥沃な水田地帯)から発生した地形地名である。...
神社仏閣(祭神・由緒)(本尊・宗派)

伊敷地区の神社(1)【R5】7月7号

・ 伊敷町は島津氏に直属し,鹿児島近在二十カ村の一部で,伊敷町や犬迫町,小野町,小山田町,皆与志町などが含まれていた広い地域であった。千年団地や伊敷団地などもかつて島津氏の山で,由緒ある神社がいくつかあるので紹介したい。伊邇色神社(いにしき...
大隅半島の歴史

伴掾館(ばんのじょうのやかた)について(2)【R5】7月6号

・ 三木靖氏によると,室町時代に入り長谷場一族の伊敷忠純が伊敷中福良城(伴橡館上の山城)を築き伊敷地区を統治したそうだ。おそらく島津氏に協力したのだろうか。14~15世紀に使われた山城であったそうだ。以下,三木氏の縄張り図に基づいて,登山し...
大隅半島の歴史

伴掾館(ばんのじょうのやかた)について(1)【R5】7月5号

1  伴掾館「伴氏(肝付氏)」  鹿児島の三大武士団とは島津氏・渋谷氏・肝付氏であるが,最も早く土着したのが肝付氏である。この一族を遡れば大伴旅人や家持に係わる名門で支族も多く,大隅にはその子孫も多い。 伴兼行が平安末期に薩摩国総追...
想い出

武岡の高射砲台下の防空壕【R5】7月4号

秘密基地 今では住宅街になっているが,昭和40年代まで,長島美術館下の常盤トンネルから武岡トンネルまで続く山手側斜面(現在は住宅地)は,墓地「笑岳寺墓地(武岡墓地に移設)」が広がっていた。当時は子どもたちの秘密基地がたくさんあって遊び場にな...
歴史・自然

六月灯の起源となった重宝山上山寺と観音像(3)【R5】7月3号

・ 藩政時代,西田村新照院の辺り一帯には、上山寺、新昌院、大徳寺、柿本寺というお寺が集まっていました。鹿児島市史によると「新照院町の由来は、この新昌院観音寺の名称である」と記されてあります。慶長6年(1601)に,初代藩主島津家久が鶴丸城を...
歴史・自然

六月灯の起源となった重宝山上山寺と観音像(2)【R5】7月2号

・ 今の城山はもともと「上山うえやま」と言っていました。鹿児島市の一部を治めていた上山氏のお城があった所です。鎌倉期末に城山に下着した松尾・小原氏が,この地の名を取り上山氏 うえやましと名乗ったことが始まりです。南北朝時代に島津貞久に追われ...
歴史・自然

六月灯の起源となった重宝山上山寺と観音像(1)【R5】7月1号

・ 7月に入ると県内の神社で「六月灯」が始まります。全国的な行事ではありませんが,鹿児島と宮崎県の一部の神社で行われている夏の風物詩です。この「六月灯」の始まりは,江戸初期,島津光久公が重宝山上山寺と新昌院観音堂を再建した折,旧暦6月18日...