金井局長と劉勁松局長との会談?

・ 報道陣の前で劉勁松局長に頭を下げる金井局長
| このたびは,高市総理が重大な誤りを犯し,関係各位に多大なるご迷惑をおかけいたしましたこと,深くお詫び申し上げます。就任間もないこともあり,日本のおかれている立場を十分に理解できていなかったことが原因と考えております。 今後このような事態が再び起こることのないよう,(高市総理を)厳重に指導し,再発防止に全力で取り組んでまいります。また,前総理からも「くれぐれもよろしくお伝えするように」と申し付かっております。何卒ご寛恕のほど,よろしくお願い申し上げます。この通りですと,頭を下げる日本の優秀な外交官?…。 (知らんけど…コーナー) |
これぞ国際外交での儀礼の姿???
今月7日,高市総理が台湾有事で「中国が戦艦を使って(米軍)に武力行使があれば存立危機事態になり得る」と答弁したことは,主権国家として至極当然なことです。にもかかわらず,中国の薛剣駐大阪総領事が翌日SNSで「汚い首は斬ってやるしかない」と投稿したことは,外交官として非常識であり,謝罪で済ませる次元ではありません。例えば,日本の在中国大使が同じことを言えば,即国外退去以上の措置になることは異存がないと思います。
今回の立憲の岡田氏の国会質問は,「中国が戦艦で攻めてきても日本の自衛隊は応戦させない」との考えのようです。本人は否定するでしょうが,あの文言でそれ以外どう解釈すればいいのでしょうか。彼は立派に中国側の特命外交官(?)として自説を述べたことになります。

・ ポケットに手を突っこみ,直立不動の金井局長を見下す劉勁松局長。
この場で土下座をしましょうか?それはまだ先でいいよ。(知らんけど…)
意図的な映像
外務省の金井アジア大洋州局長と中国外務省・劉勁松アジア局長の会談をめぐる映像は,外交儀礼の観点から看過できないレベルであり,ニュースを見てショックでした。
北朝鮮の金正恩総書記の映像を見れば分かるように,外交の現場では記者団の配置から撮影方向,着席順序に至るまで細かな取り決めがなされます。これは記者会見でも同様であり,国同士の対等性を示す重要な取り決めです。したがって,立憲民主党・岡田元幹事長が中国側との密談の中で,今回の展開を想定した上で国会質問を行ったとの指摘も十分に納得できることです。
一方,熟練の外交官である金井局長がカメラの存在を認識しながら,あの映像を許したことは極めて重大です。相手がポケットに手を入れたままの態度に対し,日本側が頭を下げる姿は,外交儀礼上の破綻であり,国益を損なう行為と言えるのでしょう。
親中派の高市潰し
このことを外務省局長が一人でできるはずもなく,組織として意図的に行ったのでしょう。親中派の議員が「高市潰し」を画策して行っていたと見る声が出るのも無理はありません。もし違うと言うのであれば,丁寧な説明責任が求められます。また今後,金井局長のような人物に大切な日本外交を任せるのは言語道断です。仮に彼が今後事務次官等に出世したならかなり力のある親中派の首相経験者が関与していたのでしょう。
恥地図への軌跡
今回の問題は,台湾有事を念頭に置いたもので,日本が武力行使(自衛隊)を一切否定すれば,中国が台湾へ圧力を強めやすくなるとの懸念も指摘されています。また,日本はこうした挑発に動じず冷静に対処すべきだという意見もありますが,相手が国際儀礼を無視して挑発を繰り返す中,事あるごとに沈黙することは,国際上「日本は認めた」と受け取られるのです。挑発に対しては日本が毅然とした姿勢を示さなければ,これまでのように「相手国に舐められた日本外交」に終始することになります。
相手が国際儀礼を無視して挑発しているのに怒らないのは世界中で日本だけです。もういい加減世界基準に軸足を戻しましょう。ここで日本が折れたら相手の思いのまま,次は「台湾と尖閣」,その次は中国が台湾領土だと主張している「沖縄」,さらにはその琉球王国の領土である「奄美諸島」と続きます。中国が太平洋に覇権を広げる上で南西諸島が邪魔なのです。そして中国の「恥地図」を取り戻す計画が着々と進んでいくのです。

・中国の国恥地図(奄美・沖縄は中国領)~一切抗議しない日本外交と日本の政治家(沖縄・鹿児島両県知事を含む) 【R5年9月22日号】トカラ列島の歴史(1)を参考
今回の騒動で「中国人旅行者のキャンセルで困っている」とテレビのインタビューで語っていた人物が,中国人経営のホテル業者だったとの投稿がありました。近年のインバウンドで潤った企業は,中国人観光客が利用するホテルやお土産店の多くは中国資本か,高額な手数料を支払う日本の製薬会社であった実態などが明らかになっています。
オーバーツーリズムの中,日本企業はさほど儲かっていないようです。反対に中国人観光客が減少するのであれば,日本人が京都をゆったり楽しめるという利点も生まれます。さも中国から旅行者が来なくなると日本人が困るとの一方的な報道だけでなく,こうした良い点もテレビで公平に伝えるべきです。
焦る中国に怯える日本
本日(11月19日),SNSでささやかれる通りに,今回新たに,中国が水産物の輸入停止に加え,「原発処理水」への対応を蒸し返して日本政府に要求してきました。(※これで魚の値段が下がり多くの国民が助かります)これは,韓国の慰安婦問題や徴用工問題が長年外交上の軋轢として利用されてきた構図と同じで,弱腰な日本外交の賜物(?)であると言わざるを得ません。
今後さらに,中国が「レアアース輸出規制」などの第二弾に踏み切る可能性が現実味を帯びてきました。米国による関税措置などの恨みを日本にぶつける“八つ当たり”のようです。
しかし,現在のような状況を作ったのは,日中国交正常化以降,産業技術をはじめとする多くの知的資源を,十分なリスク評価や国益の視点を欠いたまま無造作に「共産国の中国」へ提供し続けてきた日本政府,企業,さらには学術界の責任も極めて大きいと思います。諸外国のように国益に反する重大な犯罪は,何十年も経った後でも時効なく処分できるシステムが必要なようです。
今求められているのは,同じ過ちを繰り返し中国と心中するのではなく,安全保障を見据えた冷静かつ戦略的な外交・産業政策へと舵を切ることです。本当に日本が変われる最後のチャンスであり,アメリカをはじめ世界中が見ているのです。
日本経済に浸透している中国資本
また,今後注目すべきは,野党議員のみならず,自民党内のいわゆる“親中派”議員による追及の姿勢,そしてテレビ報道の在り方ではないでしょうか。日本経済に浸透している中国関連資本(人民元のマネーロンダリング)がどのような形で政治や報道に影響を及ぼしているのかその実態を見極めることが大切になります。
そして国益を伴う外交問題が政治やメディアの報じ方によって歪められることがあってはなりません。国益に関わる重大な問題の本質をメディアが(偏向なく)正しく報道しないのであれば,国民自ら「何が真実か」を考えていく時代に突入してきたことになるのです。
日本外交の甘さが露呈

・ この表情の違いから見えるもの
外務省の金井局長と中国の劉勁松局長との会談をめぐり,木原官房長官は「日本側としかるべく調整されない形でプレスアレンジ(報道の調整)が行われた」と中国側に申し入れたと説明しています。しかし,これまでの外務省の対応には外交当局としての危機管理の甘さが露呈しており,到底看過できません。国際社会では,各国が自国に有利な情報発信を図るのは常識であり,特に中国との交渉では今回のような事態は十分予見可能でした。今年は抗日戦争勝利80年という中国にとって国内引き締めの節目であり,初めから政治的意図(せっかくの首脳会談を日本側が台無しにした)を帯びた演出が組み込まれていた可能性は否定できません。
にもかかわらず,日本側の高官が後追いで釈明めいた発言を繰り返すことは,外交の信頼性を損なうばかりで極めて見苦しいと言わざるを得ません。結局のところ日本外交の最大の課題は,40年変わらぬ構造的な甘さと「日本的価値観」から脱却できない認識の欠如などを克服できなかった点にあります。タカ派の女性総理でも出来ないのなら今後絶対に代わることはありません。今回こそ抜本的改革に踏み出すチャンスであり,これすら成し得ないのであれば今後,日本外交が本質的に変わることはありません。野党とマスコミは「同じ穴のムジナ」ですので,国民が応援するしかないのです。
