「NHKの人件費」(その2)

NHKの非常勤経営委員の高額な報酬

  ~NHK問題での国会質問より~
 数年前のユーチューブ動画で,赤字が指摘されているNHKの受信料収入の中から,「常識を超える高額な報酬が支払われていること」について国会質疑の様子が流れていました。
 それによると,NHKの非常勤経営委員は,日額18万円の報酬で,月に2回の出勤で36万円(普通のサラリーマンの月給)のようです。単純計算でも年間で約432万円,そこに賞与や他の手当等が加われば,年収は500万円弱に達します。月2回の勤務で時給に換算すると約4万5千円です。若手公務員の年収並みですね。
※ ちなみに私の教員新採1年目の初任給は,14万5000円で年収は247万円でした。
また,56歳から校長定年時(32年間勤務)の月給は44万円代でした(昇給ストップで5年間同じ金額)。このNHK非常勤経営委員の月二回で36万円は決して安い金額ではないのです。   

・初任給

 この報酬水準について問われた際,NHKの回答は「私自身は決して高いとは思っていない」と答えた様子が,ユーチューブで紹介されていました。しかし,NHKの財源がすべて,国民から公平分担として徴収される受信料によって成り立っている以上,重要なのは「支払う側である国民が納得できるかどうか」という点ではないでしょうか。

 さらに,NHK会長の報酬は,内閣総理大臣の年収よりも1,000万円以上高いとされています。公共放送のトップの報酬が,国家の最高責任者を上回るという事実に,違和感を覚える国民は少なくないはずです。

 一方で,ある年度のアメリカのテレビ局職員の給与については,業界全体の平均年収が約880万円程度だとする報告もあります。これはアメリカのテレビ局が,まともな電波使用料を払っているからのようです。こうした国際的な水準と比較しても,NHKの報酬体系が果たして「公共放送」として妥当なのか,改めて冷静な検証が求められているように思います。

 受信料制度が国民の理解と信頼の上に成り立つものである以上,報酬の在り方についても,より透明で納得感のある説明が不可欠ではないでしょうか。

ある夫婦が営む八百屋の話

 ある夫婦が八百屋を営んでいます。月に100万円の野菜を仕入れ50%の掛値(150万)で販売していました。すると八百屋の一年間の売り上げが1800万円(150×12)になりますが,そこから仕入れ額の1200万円を差し引くと600万円の利益(月額50万円)になります。

 そこから食費や光熱費,家賃,教育費,ガソリン代,税金,銀行への支払い,各種保険その他経費の支出などで月40万を支払うと残りが10万円になりました。

 朝から夜遅くまで働き詰め,たまには家族旅行をしようと,その10万円をコツコツと貯金したお金を持ち,営業用の軽トラで出かけました。ところが事故を起こしてしまい,入院費と八百屋を休んだため貯金が無くなり,さらに軽トラが大破して使えなくなりました。夫婦は途方に暮れ,仕方なく商売変えすることになったそうな…。

 ここで何年か前のフジテレビの売上高電波使用料から割り出した数字(875倍)を八百屋の仕入れ率と仮定して「あくまでも計算上の単純な話をすると,1800万円✖875倍(電波使用料と総事業収益だけから算出)の売り上げとなり,この八百屋の一年間の売り上げは157億5000万円になります。仕入代の105億円を差し引くと,1年間52億5000万円の利益になります。
 テレビ局はこのような商売をしていると止められないでしょうね。諸外国のようにまともな使用料を国民に返還してください。

 テレビ放送業界全体の1年間の売上高は,2~3兆円と言われています。この電波は国民の財産なのですよ…,国民の皆さん。これまで何十年もの間,儲け続けた資金で「高額な給与」と「何十という関連会社の設立」,「一等地の不動産購入」にいそしんでいる業界なのです。かつて総理経験者たちが,停波を含め通信の自由化などでメスを入れようとしたことが何回かありました。だから反政権を貫き,政権の弱体化を狙い,こんなに美味しい既得権益を死守しているのです。

・テレビショッピング

 NHKだけが問題視されていますが,国民の財産を使っている以上,民放テレビ各社も全く同じなのです。BSに至ってはテレビショッピング」と「時代劇」,「韓国ドラマ」,「サスペンス」など費用の掛からない番組とCMだらけで,もはや「良質な番組を制作する意志もなさそうです」。BS朝日の数少ない制作番組の一つが「朝まで生テレビ」のようです。こうなると地上波はともかくBS放送だけでも電波オークション競争原理を取り入れると,まともな番組が多く制作されると思いますが…いかがですか?

・韓国ドラマ  ・時代劇

 このことは,かつてのアメリカも同じような状況があり,ある時間帯の枠テレビ局以外の団体に開放したら凄く面白い番組が誕生し,その影響でテレビ局の番組も質的に向上した事例があるそうです。このような提案をするだけでもオールドメディアは半狂乱になりそうです。既得権益につながる三者の癒着から日本では絶対できないようです。つまり,日本の地上波に「真の表現の自由」はないようです。

放送法の抜本的見直し~外資規制を中心に~

・ GHQの民主化政策と電波法

 放送法は,戦後の昭和25年,GHQ占領下において電波法とともに制定されました。その目的は,日本の放送を「民主化」(アメリカ寄りに,つまり反日)することにあり,GHQの強い指導のもとで制度設計がなされました。この法律により,特殊法人としてのNHKが位置づけられると同時に,新たに民間放送の開設が認められ,日本の放送制度全体を規律する基本法として機能することになりました。一方で,この時期を起点として,日本の放送の在り方に歪み(反日)が生じたのではないかと私は考えています。  

 その後,放送法は社会情勢や技術革新に対応するとの名目で幾度となく改正されてきました。しかし,それらの改正の多くは,新しい波から既存の放送事業者の既得権益を守ることを優先し,結果として新規参入を困難にする「新たな参入障壁」を強化するための「改悪」だったのではないでしょうか。 放送免許制度を根拠に東北新社は認定取り消しとなり,フジテレビの20%の違反問題はおとがめなし異なる判断を受けた点は,その象徴的な事例とも言えます。  

 放送法は電波法と密接に関連しています。地上波放送は,国民共有の財産である電波を優先的に割り当てて使用する制度であり,電波法では,外国資本による議決権比率が5分の1(20%以上)となる場合には,無線局免許を与えないと定められています。(本来は0%)こうした規定の細かな運用に当たって,官僚と民放の癒着が指摘されている疑念も根強く存在します。
 このフジテレビ問題以降,この外資比率20%規制に対する国民の監視が一段と厳しくなっています。その結果,表向きは日本企業でありながら,実質的には外国資本,特に中国資金が影響力を行使する構図が問題視されるようになりました。  

 いわゆる「反日的」(中国よりに)と受け取られる報道や論調の背景には,こうした構造があるのではないかという見方もあります。国民の財産である電波を利用する放送機関に限っては,(他国の報道機関のように)いかなる形であれ外国資本の関与を認めるべきではない,という考え方には合理性があると言えるでしょう。
 また, スパイ防止法のない国は日本だけなのです。そのせいで,同盟国からの特定の機密事項が得られにくい安全保障上の課題から,近隣諸国からの脅威に晒されているのです。スパイ防止法について,反対派は表現の自由を剝奪し引いては民主主義を否定する悪法と主張していますが,個人情報保護法の国家版と思えばいいのです。 

 今回の,立憲民主党の岡田議員による国会での執拗な質問を通じて,中国におけるイオンの事業展開が改めて注目されました。また尖閣諸島をめぐる一連の問題以降,中国の政治的・外交的リスクが明らかになっているにもかかわらず,撤退しない(出来ない)日本企業が依然多い理由の一端が,こうした中国資本による経済的な結びつきにあるのではと指摘されています。
 以上を踏まえると,戦後レジームから国民が真に脱却するために必要なのは,可視化されやすい憲法改正論議だけではありません。むしろ,世論形成に大きな影響力を持つ放送制度の根幹,すなわち放送法の抜本的な見直しこそが,最優先で議論されるべき課題ではないでしょうか。

タイトルとURLをコピーしました