うつせみ先生の想い出とビートルズ

英語の授業の一コマ

 中学校時代の副担任で女性の英語の先生が「うつせみ」というあだ名でした。そのころ何名かの女子がそう呼んでいたことを覚えています。彼女は英語の授業をしながら,時折自分の好きな万葉集の話で脱線するのです。授業の内容は覚えていませんが,なぜか脱線話だけは記憶に残るものです。

 ある日の授業で,私たちはいつも通り英語の文法や英単語を学んでいました。先生が突然「皆さん,万葉集にも似たような表現の歌がありますよ」と言い出し,万葉集を熱心に語り始めました。その中に「うつせみ」という歌があったのです。私の記憶にはありませんでしたが,その後,先生自身がその歌を気に入ったみたいで,事あるごとに「うつせみ」が出てきたそうです。

 数年前,ある雑誌で「うつせみ」を詠んだ万葉集の歌が掲載されており,急にその先生のことを思い出しました。

 「うつせみの 常のことばと 思へども 継ぎてし聞けば 心惑ひぬ」という万葉集第12巻の2961番の歌でした。詠み人知らず(作者不詳)の名作で,訳すと,「世間一般のありふれた言葉(社交辞令)だと思いますが,何回も聞かされると,私の気持ちが惑わされます。」という意味のようです。また,「うつせみ(空蝉)」とは,「この世の人,或いは現実」のことを指すようです。

・ 萬葉集(筑摩書房)

 また,この先生はイェスタディなどビートルズの曲にある単語が出てくると,イェスタディを歌いながら,歌詞を翻訳するなど授業を楽しくしてくれました。教科書で習うより,日頃耳にしている曲で具体的に教わると英文が頭に入ってくるものです。他にも,前の授業で習った教科書のページを丸ごと覚えさせ,休み時間にそれをチェックすることもありましたが,楽しい話や歌で学ぶことができる時間は楽しみでした。先生の授業は,英語を学ぶ喜びを与えてくれ,ビートルズの曲だけでなく,詩まで好きになったのもその授業がきっかけでした。

ビートルズのジャケットのシャッター絵

・ 何故か自宅に3枚あるアビーロード

 アビーロードのジャケットに描かれたポール・マッカートニーが裸足であることが、ビートルズファンの間で話題となりました。さらに、後方のフォルクスワーゲンのナンバープレートの番号が「28IF」であることから、もし(IF)ポールが生きていたら、28歳になることが示唆されて死亡説が広がったのです。

・フォルクスワーゲンのナンバー「LMW28IF」

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・阿久根商店街のシャッター絵

 商店街のシャッター絵が見れるということは,店が閉まっているということなので複雑な感じがしました。いつの頃からか,県内の商店街は土日祝日の昼間でもシャッター通りが多くなりました。賑やかだった阿久根も同じように寂れてきました。

 そのことは別として,私は阿久根商店街のシャッター絵が好きで,特にアビーロードの絵を見るのが楽しみでした。何故かこの絵では,ポール・マッカートニーが白い靴(ジョンやジョージと同じ色)を履いています。この絵を描いた画家は,ポールの死亡説を知っていて,わざと靴を描いたのでしょうね。私はこの絵が気に入り,阿久根を通るたびに写真を撮りました。もうこの絵はありませんが,その中の一枚です。

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