伊敷原良の化粧の水
田植えが近づくと、おはら節の一節「雨のふらんのに草牟田川(甲突川)濁る、伊敷原良の化粧の水」という一節を思い出します。花尾橋下からの眺めも同じように川田川の水が白く濁ります。郡山町は中世に満家院と呼ばれていました。花尾校区は水が豊かで急峻な山の斜面が多いところです。学校周辺は字名を久木田宇都と言い,山からの伏流水が染み出る所です。
宇都とは
宇都とは,鹿児島独特の地名で,両サイド山尾根に挟まれ「迫が広がった平地」を指すことが多いようです。「宇戸・宇土・鵜戸・兎戸」等表記がある山岳地名で,尾根の撓(たわ)んだ峠の入り口で,山腹や尾根筋に当たります。谷地や谷戸とも言われ,小さな谷の源頭部(尾根と尾根の狭い谷間の沢や谷の最上部)で狭いながらも水が豊かなところです。
鉄バクテリア
川田川の流域は赤茶色の山水が湧き出る菖蒲谷と言わる所です。この菖蒲は方言でソブのことで,ガネンクソ(沢蟹の糞)と言われ,中世には砂鉄と混ぜ,たたら製鉄の原料として使いました。
① 花尾小校庭の地下を通って溶結凝灰岩群に落ちる鉄分の多い赤茶色の水。
② その水の鉄分を鉄バクテリアが食べた後は油分(ソブ)が残り,たたら製鉄の原料でした。(川が増水した後は鉄分の赤ちゃびた色ですが,翌日はオイルをこぼしたようになる)