想い出(39)

想い出(39)

旅の思い出「法隆寺」

正岡子規が主人公の一人として登場する司馬遼太郎作の歴史小説『坂の上の雲』が,テレビで再放送されています。その冒頭の「登っていく坂の上の青い天に,もし一朶の白い雲がかがやいているとしたら,それのみを見つめて坂を登っていくであろう」という有名な...
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高隈山で出会った若者たち(その2)

3年前,初めて高隈山系の御岳を登ったときのことです。山頂で,福岡県から来た若い女性登山者と出会いました。彼女が向いの大箆柄岳の写真を撮っていたので,「撮りましょうか」と声をかけると,笑顔で応じてくれました。私たちは老夫婦で弁当を広げ食事をと...
想い出(39)

高隈山で出会った若者たち(その1)

登山をしていると,多くの人と出会い,交流する機会があります。大自然の中で体を動かし,頂上での美しい景色を眺める達成感は特別なもので,心に深く刻まれる時間です。さらに,出会いを通じて他者の人生に触れることで,自分自身や夫婦としての生き方を見つ...
想い出(39)

M子さんの話〖25年11/4号〗

前回「親友K君の想い出」で,転校で不安なわたしに優しくしてくれたK君の話をしましたが,今回はM子さんの話です。 M子さんは積極的に話すタイプではなく,どちらかといえば物静かな女の子でしたが,時折大きな声で笑ったり,面白いことを言ったりする一...
想い出(39)

親友K君の想い出〖25年11/3号〗

小学校4年生のとき,私は鹿児島市の小学校に転校しました。それまで通っていた地方の学校は「い組」「ろ組」「は組」の3クラスしかなかったのですが,新しい学校は7クラスもあり,児童数は以前の3倍以上の大きさでした。そのため,最初はとても緊張してい...
想い出(39)

北原白秋「この道」

一度は行ってみたかった柳川の北原白秋記念館を訪れました。北原白秋といえば,『あめふり』や『からたちの花』など,誰もが一度は耳にしたことのある数々の作品を残している詩人であり童謡作家です。その中でも私が一番好きな童謡が『この道』です。 音楽で...
想い出(39)

子どもの頃の想い出「川で溺れたこと」

小学校1年生の夏休み,近所の川で遊んでいた時の話です。いつも遊んでいたその川には,小さな取水ダムがあり,上の段の深さは2メートルほどだったと記憶しています。川岸から3~4メートルほど離れた水中に2畳ほどの岩場があり,そこまでは無呼吸で泳ぐこ...
学校教育(10)

鹿児島にルーツがある直木賞作家,ねじめ正一

かつて,ねじめ正一著の児童書「さんぽうた」(ポプラ社)をいただいたことがあります。この本の編集者は,鹿児島出身で多くの翻訳書を手掛けている久保陽子さんです。さんぽうた ところで,ねじめ正一氏は小説「高円寺純情商店街」で直木賞を受賞し,詩集や...
想い出(39)

小さな教育長

幼稚園がなく山学校 昭和30年代,小学校に入る前のことです。近くに幼稚園がなかったため,私の遊び場は「山学校」さながら,父の務める学校でした。その頃の離島の学校は空襲で焼け落ちた校舎跡の一部など,戦後の混乱の名残がまだ残り,今では考えられな...
想い出(39)

妻の叔父さんの話

「大石内蔵助になるな」 私が初めて教頭になった年の夏,妻の叔父夫婦から飲み会に誘われました。叔父は自衛隊の鹿屋基地に勤務しており,岩川飛行場の「芙蓉飛行隊の美濃部指揮官」についても調査して詳しく知っていました。それまで戦時中,県内に特攻以外...