歴史・自然(133)

歴史・自然(133)

能因歌枕の母子島

阿久根湾に浮かぶ,ひょうたんの形をした美しい島「桑島」は,大島と並んで位置しています。この島は,古くから「大蛇が住む島」と言い伝えられ,庶民の間では「渡ることのできない,眺めるだけの島」として知られてきたそうです。県内には坊津をはじめ江戸期...
歴史・自然(133)

能因歌枕の薩摩5カ所とは

東郷町司野・ 三国名勝図絵 当ブログも薩摩川内までやってきましたので,阿久根・出水の地に入ります。北薩の地は肥後の国との境にあたり,特に中世以降多くの伝説が残っており歴史的にも面白い所です。能因法師の歌枕 平安時代,和歌の名人たちの中でも特...
歴史・自然(133)

異論・反論~議論・討論「米の値段について」

かつてスーパーのお米コーナーに行くと,地元のお米が陳列されているコーナーの奥の棚に,ササニシキとコシヒカリが並んでいました。どちらも値段が高く,普段はなかなか手が出ませんでしたが,何かお祝いごとがあると,ササニシキを買って帰るのがプチ贅沢で...
地名散策(22)

川内の地名由来

白熊のエピソード 学生時代,文京区小石川に住んでいた頃,近くの白山通りにスイーツで有名なお店がありました。ある暑い夏の日,どうしても「白熊」が食べたくなり,そのお店で「白熊を一つお願いします」と注文いたしました。すると,若い女性の店員さんが...
歴史・自然(133)

川内での頼山陽

日本の朱子学は,江戸時代に広まる以前に,すでに室町時代,桂庵玄樹によって薩摩で花開いていました。江戸期には,朱子学が幕府の官学として位置づけられ,全国の藩で採用されることで,さらに深化していきました。私も,これまでに頼山陽など有名な儒学者の...
歴史・自然(133)

薩摩隼人の由来(隼人塚)

薩摩隼人の由来の石碑 「薩摩隼人」とは,隼人の中でも鹿児島県西部の薩摩地方に住んでいた人々の子孫とされる男性を指し,勇敢で誇り高い人物像を象徴する異称として知られています。 この言葉の語源は,古代に九州南部に居住していた「隼人(はやと)」と...
歴史・自然(133)

南九州の神話と阿多・隼人族のエピソード 

南九州の隼人族の抵抗 中村明蔵氏の『神になった隼人』は,南九州の古代史を考えるうえで貴重な研究書です。この書籍によると,隼人族は中央から「化外の民」とされ,東北の「蝦夷(えみし)」や阿麻美(奄美)の南島人などと並んで「夷狄(異民族)」とし位...
歴史・自然(133)

三国名勝図絵に描かれた「猫嶽眺望(川内市)」

薩摩川内市の福昌寺は,石屋真遼(1345~1423)によって開かれた寺院で,何度か訪れています。曹洞宗の寺院には,他宗派とは異なる独特の雰囲気があり,不思議な魅力を感じます。今回訪れたのは,石屋真遼の母方のルーツの一つ日置の阿多氏を調べてい...
歴史・自然(133)

未来に語る歴史像~薩摩守 大伴家持

薩摩川内市には,「万葉の川筋散策の路」や川内駅前広場に,大伴家持の銅像が設置されています。大伴家持は,『万葉集』の編纂に関わったことで知られる著名な万葉歌人です。 『続日本紀』には,「従五位上の大伴家持を薩摩守に任じる」との記述があり,家持...
地名散策(22)

原良や常盤の古戦場跡と景勝地

2月26日号でも紹介しましたように,南北朝時代には,現在の鹿児島中央駅付近に,島津方と戦った畠中方の山城・陣跡である「原羅営(はららえい)」がありました。この場所は,江戸時代に名勝地として知られ,島津重豪が築いた「雄風亭」があった尾畔山(お...