歴史・自然(124)

歴史・自然(124)

三国名勝図絵に描かれた「猫嶽眺望(川内市)」

薩摩川内市の福昌寺は,石屋真遼(1345~1423)によって開かれた寺院で,何度か訪れています。曹洞宗の寺院には,他宗派とは異なる独特の雰囲気があり,不思議な魅力を感じます。今回訪れたのは,石屋真遼の母方のルーツの一つ日置の阿多氏を調べてい...
歴史・自然(124)

未来に語る歴史像~薩摩守 大伴家持

薩摩川内市には,「万葉の川筋散策の路」や川内駅前広場に,大伴家持の銅像が設置されています。大伴家持は,『万葉集』の編纂に関わったことで知られる著名な万葉歌人です。 『続日本紀』には,「従五位上の大伴家持を薩摩守に任じる」との記述があり,家持...
地名散策(18)

原良や常盤の古戦場跡と景勝地

2月26日号でも紹介しましたように,南北朝時代には,現在の鹿児島中央駅付近に,島津方と戦った畠中方の山城・陣跡である「原羅営(はららえい)」がありました。この場所は,江戸時代に名勝地として知られ,島津重豪が築いた「雄風亭」があった尾畔山(お...
歴史・自然(124)

大河ドラマと大宰府

・ 都督府古址 大宰府 私にとって大河ドラマは,中世の武将たちが繰り広げる迫力ある戦シーンが魅力でした。「光る君へ」は平安時代の貴族社会を描いた紫式部の物語のため仕方ないのですが,宮中の場面が多く,やや物足りなさを感じていました。 そんな中...
地名散策(18)

地名散策NO・16「平佐の地名由来」

薩摩川内市の平佐町は,川内川の左岸に沿って広がる地域です。JR薩摩川内駅の裏手にあたる細長い地域で,駅から平佐西小学校のあたりまでが平佐城があった場所で,秀吉の軍勢を相手に,少ない兵で籠城戦を行ったことで知られています。 三国名勝図絵による...
歴史・自然(124)

多々良製鉄と火の河原

NHKの「美の壷」で紹介された「たたら製鉄」は,出雲地方を始め全国的に昔から伝わる鉄の作り方です。藩政時代は,製鉄法は門外不出で長い間秘密にされていたので,あまり知られていませんでした。明治以降,少しずつ人々に知られるようになり,最近は「た...
歴史・自然(124)

村の行事と「村八分」

かつて学校でいじめが起きた際,「〇〇さんは,学級の中で村八分にあっているのでは?」と表現されることがありました。この「村八分」という言葉は,中世からすでに使われていたようです。 村全体で特定の個人や家族を仲間外れにすることです。これは,村の...
旅行(7)

七里の渡しと「焼はまぐり」

桑名でどうしても訪れたかったのが,歌川広重の『東海道五拾三次之内 桑名 七里の渡口』で有名な港の跡でした。広重の絵を見ながら4月初旬に訪ねたのですが,現在は堤防が築かれており,そこが本当に渡口であるという確信が持てませんでした。ところが先日...
歴史・自然(124)

災害について思うこと

災害に備える伝え方を 前号の「宝暦治水」の回では,困難な治水工事に立ち向かった薩摩義士たちの美談だけに収めるのではなく,奄美に課された黒砂糖生産の過酷な実態,いわゆる「黒砂糖地獄」にも触れていただきたいと申し上げました。 それは,災害対策に...
歴史・自然(124)

宝暦治水の薩摩義士の墓所

曹洞宗寺院 海蔵寺 三重県桑名市北寺町に曹洞宗のお寺,法性山海蔵寺があります。ここには宝暦治水工事で亡くなった薩摩藩家老・平田靭負をはじめとする薩摩義士の墓が21基あり,桑名市の指定史跡となっています。 薩摩藩には禅宗の信者が多く,宝暦治水...