鹿児島の紅葉

 今年の県内の紅葉は,気温と日照時間の影響で全体的にあまり良くなかったようです。例年と同じ場所に紅葉狩りに出かけましたが,いつものような鮮やかな紅葉を見ることはできませんでした。紅葉の色合いは天候による影響を少なからず受けるため,できるだけ美しい紅葉を楽しみたいと思うなら,天気予報の確認は欠かせません。車で行ける「霧島神宮」や「曽木の滝公園」の紅葉は,天気予報で十分ですが,山間部となる高隈山系の御岳や高山の名所では,天気が変わりやすく予報があてにならないこともあります。そのため,土日の午前中など限られた期間や時間帯で訪れる際は,以前訪れた際に綺麗な景色が見られたスマホの記録を参考に計画を立てています。

曽木の滝と伊佐市の紅葉

 そんな中,曽木の滝や伊佐市では,例年通りの美しい紅葉を楽しむことができました。散策中,多くの外国人観光客の姿も見かけました。その中で,スペイン語を話す三人組の旅行者に写真撮影を頼まれ,美しい紅葉を背景にシャッターを切りました。

 日本には紅葉の名所が数多くあるにもかかわらず,世界各国からわざわざ鹿児島の紅葉を見に来る人々がいることに驚きました。紅葉の魅力が国境を越えて愛されているのだと実感し,とても嬉しく思いました。

観察,実験を通した理科の見方・考え方

 秋に紅葉する仕組みについては中学校理科で詳しく扱われますが,小学校高学年でも「植物の成長」の単元で簡単に触れることがあります。理科の授業では,特に「山の美しい紅葉の条件」として,日照時間,寒暖差,雨量など,さまざまな要因が関係していることを子どもたちに伝えるようにしていました。

 理科の専科を担当していたとき,私が特に大切にしていたのは,目標である「理科の見方や考え方」を育てることでした。観察や実験を通して,紅葉する前とした後の葉の様子をスケッチさせたり,紅葉する木としない木の特徴を考えさせたりして科学的な視点で自然を捉える力を鍛えることを心がけました。観察や実験が楽しいだけでは,子どもたちの興味は持続しません。また,観察の目的や狙いが明確でなければ,興味関心そのものが薄れてしまいます。そのため,具体的な視点を設定して子どもたちの観察意欲を引き出す工夫をしていました。

・伊佐市の紅葉

 たとえば,「家から学校までの道で桜の木は何本あるか」「紅葉する樹木はどれくらいあるか」など,事前に具体的な問いを投げかけておきます。桜は綺麗に咲いていると眺めている子どもを見かけますが,花が咲いていない時期には存在自体を意識していません。一方,紅葉は期間が長く,樹木の種類も多いため観察意欲が持続せず大変です。そこで,「桜の満開日当てクイズ」や「紅葉の色の種類当てクイズ」などの臨機応変に取り入れて,楽しみながら自然に興味を持ち続けられる工夫をしました。

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