今から25年ほど前の教頭時代,私はパソコンも持っていましたが,まだワープロを使用していました。当時は「開かれた学校」「情報公開」「情報教育の推進」などが求められる時代であり,学校のホームページもようやく運用され始めた頃でした。

・シャープ製のワープロ
情報公開とホームページ
学校のホームページは学校の経営方針や伝達事項,行事等を伝える重要な情報発信のツールです。どの学校でもホームページの開設に取り組んでいました。そこでパソコン指導に長けた若い職員を教育方法係に付け,情報教育の推進に取り組みましたが,思うようには進みませんでした。
そんな中,新しい校長先生を迎えることになりました。何とその方は県の情報教育立ち上げに関わった専門家で,着任するとすぐに学年パソコンを校内LANで結び,職員会議の資料をペーパーレス化すると言い出しました。

・文科省ホームページ
ホームページの更新
今では当たり前のことですが,当時の私にはまるでどこかの研究施設の話を聞いているようで,不思議な感覚に陥ったことを覚えています。不得意な分野だったため,指示されたことをこなすのに精一杯でしたが,その後,試行錯誤を重ねながらホームページの運用を軌道に乗せることができました。
その際,全国の学校ホームページのデザインや発信内容について調査・研究する中で,私立高校では特色ある教育活動や進学・就職実績,部活動の成績や紹介など,多岐にわたる情報が発信されており,その分析方法にも驚かされました。公立高校でも,学校ごとに特色ある取り組みや実践内容が紹介されており,閲覧するだけでも興味深いものでした。
ホームページの校歌について
その中で特に注目したのが,校歌の作詞・作曲者についてです。有名な作家や学者,政治家が手がけた校歌を調べていくうちに,全国の学校で同じ作詞・作曲家による校歌が多く存在していることを知りました。さらに,当時勤務していた学校の校歌と同じ作曲家が手がけた別の校歌を見つけて調べたところ,驚くほど似た曲でほぼ使い回し状態だったのです。また,作詞者の中には,他県の校歌の歌詞を盗作していた事例もあり,特に大正から戦前まではこうした事例が少なくなかったのではないかと考えるようになりました。
ホームページの更新
ところで,現職中は,学校ホームページの更新に頭を悩ませていました。担当職員も多忙で,何ヶ月も前から具体的な内容を示して依頼しても,直前に「忙しいです」の一言で済まされてしまうことが多々ありました。教育委員会のホームページには学校ホームページのリンクがあり,更新の順番が分かるため,常に暗黙のプレッシャーを感じていました。確かに,数年単位で更新されていない学校もあり,卒業生などから不満の声が上がるのも理解でき,職員の質すら疑ってしまいます。

しかし,専門の職員がいるかどうかは学校によって異なり,規模に関係なく対応に差が出るのが現実です。何より保護者にはお手紙やメール等で必要事項は済ましており,更新する余裕がないのだと,つい言い訳をしたくなる気持ちもありました。ホームページを開設した当初は,特定の方々(保護者や卒業生など)とのつながりを想定していました。学校のホームページであれば,日本全国はもちろん,世界各国に住む卒業生など,記事を楽しみにしている人たちがいるのです。
ブログを始めてみて
現在,自分でブログを始めてみると,趣味の範囲で気軽に取り組める楽しさから,やりたいことが「あれもこれも」と多く,まとまりがつかなくなっています。現職中は,更新しなければならないという思いがある一方で,日々の業務に追われるばかりで,なかなか手が回りませんでした。学級だよりのように気軽に発信できるものではなく,個人情報や著作権などの問題も関わるため,慎重にならざるを得なかったのです。
自分で情報を発信するようになると,初めて気づくことも多くなります。サーバーパネルのアクセス解析で「滞在時間」や「国別アクセス数」などを確認すると,どのような記事が読まれているのかが分かり,より一層発信する側の面白さが増してきます。

当「散策ブログ」は,日本国内だけでなく,アメリカやヨーロッパ,アジア諸国など,世界各地から多くの訪問者がアクセスしているようです。しかし,インターネットを通じて世界中の人々と情報を共有し,どこからでも必要な情報を得られる時代となっています。今こそ,公立学校のホームページの役割とその必要性について改めて考えるべき時なのかもしれません。
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